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人がおらんと、何もできへん(アサヒ物産株式会社)

ギフト販売から始まり、自動販売機、食品卸、そしてメーカーへ。兵庫県加古川市に本社を置くアサヒ物産株式会社は、時代の変化に対応し、常に業態を変え続けてきました。その柔軟な経営の根底には、大西能久社長の「社員がいてくれるからこそ」という、創業時から変わらない強い想いがありました。

社員の定着を願い、働きやすい環境を模索する中で自然とたどり着いたのが「健康経営」。人を大切にする文化が、いかにして会社の未来を切り拓く力となったのか、その軌跡をご覧ください。

アサヒ物産株式会社:左から順に、萩原 正裕さん(経営企画部 総務課係長)、大西 能久さん(代表取締役社長)

1.ご縁を繋ぐのは自販機事業

――本日はよろしくお願いいたします。まず、大西さんのご経歴と、御社の歴史について教えていただけますでしょうか。

大西 能久さん(以下、大西さん):創業は1988年からです。最初はギフト関係の仕事、カタログを使った訪問販売から始めました。ただ、この仕事は冠婚葬祭がメインなので、一度お付き合いが始まっても、次がいつになるか分からない。毎日が新規営業のようなもので、なかなか仕事が積み上がっていかないんです。

それに、土日も仕事になるので、人を雇って定着してもらうには難しい環境でした。社員のことを考えた時に、何かこう、積み上がっていく仕事で、土日も休めるような事業はないかと考えたんです。

――それが、次の事業への転換のきっかけになったのですね。

大西さん:はい。ちょうどその頃、各飲料メーカーが自動販売機事業を本格的に立ち上げ始めた時期で、「これだ」と。自動販売機なら一度設置すれば、あとは機械が勝手に仕事をしてくれる。そこで自動販売機のオペレーター事業を始めました。

そこから事業は順調に伸びて、自販機で飲料を扱うなら、ということで卸売業も始めました。最初は地域の八百屋さんや小さなスーパーに卸していましたが、だんだんと大手のチェーン店さんとも取引ができるようになりました。

――非常に柔軟に事業を変化させてこられたのですね。

大西さん:ただ、人の作った商品を売るだけでは、どうしても価格競争になってしまって儲からないんです。それで、次は自分たちで商品を作ろうと。海外で紙パックのジュースやオイルサーディンの缶詰を作って、プライベートブランドとして大手スーパーさんに卸したりもしました。でも、これもまた同じものを作る競合が出てきて、利益が取れなくなってしまう。

やはり、自分たち自身のブランドを作らないといけないなと思っていた時に、今主力になっている「クロワッサンたい焼き」という商品と出会い、その会社をM&Aすることになったんです。こうして、卸売業から自社で製造まで行うメーカーへと、少しずつ形を変えてきました。今は卸の比率がまだ高いですが、これからはメーカーとしての比率を上げていく方針です。

2.一命を取り留めた健康経営

――御社は「ブライト500」にも認定されるなど、健康経営に非常に力を入れていらっしゃいますが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

大西さん:きっかけは、たまたま読んだ雑誌の記事です。将来的なことを考えた時に、社員にいかに定着してもらうか、そして健康でいてもらうか、という課題がありました。社員が健康であれば仕事も順調に進みますし、逆にバリバリ働いていた人が突然倒れたりしたら、本人も大変ですし会社にとっても大きな損失になりますから。

ちょうどその頃、お付き合いのあった保険会社さんから健康経営のセミナーを紹介していただき、そこから本格的に取り組み始めました。

――萩原さんは担当者として関わってこられたのですね。

萩原 正裕さん(以下、萩原さん):はい。最初は紙ベースで申請するところから始めましたが、当時はまだ取り組んでいる企業が少なかったのか、特別なことをしなくても認定が取れた、という感じでしたね。

――具体的にはどのような取り組みをされているのですか?

大西さん:まず、全社員に年1回の健康診断を受けてもらい、50歳以上の社員には人間ドックに入ってもらっています。その中で、もし結果が良くない社員がいたら、提携している産業医の先生にすぐ診てもらえる体制を整えています。実際、血圧が高い社員が定期的に通院するようになったりして、社員の健康意識はかなり高まったと感じています。

他にも、遺伝子検査や、尿でがんのリスクを調べる「N-NOSE」といった先進的な検査も、希望者は会社の補助で受けられるようにしています。

――社員の方からの反応はいかがですか?

大西さん:「検査に行っておいてよかった」という声はよく聞きますね。昨年も、心筋梗塞で社内で倒れた社員がいたのですが、幸い一命をとりとめました。後から聞くと、彼も健康診断の結果を受けて産業医の先生のところに通っていたそうで、いざという時の処置がスムーズにできたと。7年間、健康経営をやってきて、目に見える形で一人の命を救えたのかなと感じた出来事でした。

萩原さん:取り組みを始めてから、社内で健康に関する会話が増えましたね。血圧が高い社員同士で「最近どう?」なんて情報交換をしていたり(笑)。自然と意識が高まっているのを感じます。

――担当者として、継続していく上でのご苦労はありますか?

萩原さん:やはり、認定を更新していくためには毎年取り組みをレベルアップさせていかないといけないので、次に何をするか考えるのが大変です。できるだけお金をかけずに、みんなでできることはないかと常に探していますね。

3.仕事の本質は、時間内の質の濃さ

――健康経営は、社員を大切にするという想いが根底にあると感じます。大西さんがそうした価値観を持たれるようになったのは、なぜなのでしょうか?

大西さん:それはもう、学生の時に一人で商売を始めた経験が大きいですね。一人から二人、二人から三人へと仲間が増えていく中で、「人がおらんかったら、一人では何もできへん」ということを痛感しましたから。本当に、これまで人には恵まれてきたと思っています。

昔から、地元の子で「就職先が決まらんから頼むわ」なんて頼まれて採用した子も結構いるんですよ。仕事の出来はまあ、色々ですけど(笑)、人間としてええ子が多いんです。

――創業から45年以上、ずっと「人」が中心にあるのですね。

萩原さん:私は入社して25年になりますが、昔は社長も言っていたように、自販機にジュースを詰める外回りの仕事から始まりました。当時は残業時間なんて気にせず、夜遅くまでみんなで和気あいあいと働いていた時代です。今は時代も法律も変わって、生産性が求められるようになりましたが、根底にある人の温かさのようなものは変わらないと感じますね。

――時代の変化には、どのように対応されてきたのですか?

大西さん:昔は「休みなんていらんから働け」という時代でしたけど、今はもうそんなことを言っていたら人は集まりません。時代の流れと環境の変化に合わせて、こちらも変わっていかないと。ただ、商売の本質として、お客様あっての仕事ですから、例えば「時間外なので対応できません」というようなことではいけない。時間内にいかに質の濃い仕事をするか、その上で、お客様を大事にする姿勢はきちんと教育していく必要があると思っています。昔はおかしいと思っていたことが、今では当たり前になっている。こっちが慣れてきた、という感じですね。

4.変化を続ける覚悟で挑む未来像

――御社の歴史は、まさに変化の連続ですね。

大西さん:ダーウィンの法則と一緒で、環境の変化に対応していくということです。我々が創業した頃と今とでは、人口も、競合の状況も全く違います。その中で生き残っていくためには、自分たちの立ち位置を柔軟に変えていくしかない。米や酒の卸をやっていた時期もありますし、最近では岡山の和菓子屋さんをM&Aで事業承継するなど、常に新しい挑戦を続けています。

――M&Aは非常に大きな決断だと思いますが、どのように意思決定されているのですか?

萩原さん:社長の決断は早いですね(笑)。役員に相談というよりは、「買いますので、あとお願いします」という形で話が来ることが多いです。突然の話なので「大丈夫かな?」と心配になることもありますが、社長のことを信じていますから、成功するように皆で持っていかないと、という気持ちです。

大西さん:ありがたいことに、良いご縁をいただいて、話が進むことが多いですね。

――最後に、アサヒ物産さんの今後の展望についてお聞かせください。

大西さん:今はまだ卸事業の比率が高いですが、これからはメーカーとしての立ち位置を確立し、自社ブランドを育てていくことに力を入れていきたいと考えています。そのために、営業戦略を専門に担う部署も新たに立ち上げました。

萩原さん:会社としてのゴールは、やはり皆が健康で、定年まで安心して働き続けられる会社であることだと思います。その目標に向かって、健康経営の取り組みも継続していかなければなりません。

大西さん:そうですね。結局は、社員が安心して働ける環境があってこそ、会社は成長できる。これからも、人を大切にしながら、時代の変化に対応し続けていきたいですね。

取材後記

「人がおらんかったら、一人では何もできへん」。取材中、大西社長が何度も口にしたこの言葉が、アサヒ物産のすべてを物語っています。社員の定着を願って事業を変え、社員の健康を願って制度を整える。そのすべての起点は、共に働く仲間への深い信頼と感謝の想いです。

健康経営の取り組みも、流行りの手法を導入したというより、社員を大切にする文化が自然と形になったものだと感じました。そこには、社員一人ひとりの人生、すなわちIKIGAIを尊重し、会社という場で安心して輝いてほしいという経営者の願いが込められています。

IKIGAI経営とは、特別なことではない。人を信じ、その幸せを願い、会社の未来と重ね合わせていく、地道で誠実な営みのことです。ダーウィンの法則のごとく変化の波を乗りこなし、未来へと進むアサヒ物産の航海は、これからも「人」という羅針盤に導かれていくと感じました。


【企業データ】
会社名:アサヒ物産株式会社
事業内容:飲食料品卸事業、デザート生産事業、インターネット通信販売事業、自動販売機事業、飲食事業
所在地:〒675-0045 兵庫県加古川市西神吉町岸134番地の3
資本金:28百万円
社員数:108名

監修者画像

【監修者】熊倉 利和

一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会 代表理事/IKIGAI WORKS株式会社 代表取締役/IKGAI広場 編集長

新卒であさひ銀行(現りそな銀行)に入行後、慶應義塾大学大学院(MBA)を経て、セルメスタに転職、2011年に代表取締役に就任。2021年、IKIGAI WORKS株式会社を設立。
健康経営伝道師として350社と750万人にデータヘルス計画や健康経営のコンサルティングを実施。生きがい・働きがいを持って経営を推進するトップランナーらとのインタビューや講演、イベント開催など健康経営や働きがいの普及啓発に取り組む。今では健康経営、ウェルビーイング、人的資本経営を包含し、「IKIGAI経営」の普及啓発へ公私ともに邁進。IKIGAIオタクとしてすべての社会に「生きがい」を広めることを生業とする。