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【働きがいインタビュー】年齢も肩書きも関係ない。誰もが輝ける警備会社の「人を育てる力」(リライアンス・セキュリティー株式会社)

今年、健康経営優良法人に認定された企業はついに2万社を突破。過去最多を記録しました。その中でも「ブライト500」に名を連ねるのは、健康経営のトップ・オブ・トップ。年々そのハードルは高まり、今回、警備業界からはわずか数社の認定となりました。
そんな中、4年連続でブライト500入りを果たしているのが、広島県の警備会社リライアンス・セキュリティーさん。なぜ、これほどまでの実績を残せるのか。今回は、その秘訣を探るべく、新人警備員のお二人に話を伺いました。

リライアンス・セキュリティー株式会社:有田 恭彰さん(執行役員 採用教育研修部長)、森岡 正美さん、杉田 実優さん

1.年齢に上限なし!シニアの挑戦を応援する警備会社

――早速、インタビューを始めさせてください。採用・教育研修を担当されている有田さん、まずはご紹介いただけますか?

有田 恭彰さん(以下、有田さん):はい。向かって左側が森岡 正美警備士です。昨年2月に入社したわが社のシニアの広告塔です。先日も「シニアを応援したい」というテーマでインタビューを受けたんですよ。

――森岡さんはおいくつですか?

森岡 正美さん(以下、森岡さん): 79歳です。昨年2月の入社です。

――えっ?! 驚きました。とてもお若く見えます。森岡さんが最高齢ですか?

有田さん:いいえ。最高齢は83歳です。ご本人に「働きたい」という意欲があれば、当社では年齢に上限を設けません。年齢ではなく、前向きな姿勢を尊重しています。

――それはすごい!高齢者が安心して働ける環境が整っている、ということですね。森岡さんはどのようにしてリライアンス・セキュリティーさんと出あったのですか?

森岡さん:ハローワークでこの会社を知りました。最も印象に残ったのが、高齢者に門戸を開いていることでした。年齢に上限を設けていない会社は、私が見た中では他にありませんでした。現在は契約社員として週5日間勤務しています。私は、実は自動車整備工場を経営しています。ただ、事業のほうはだいぶ下火になり、それだけでは生活が厳しく、どうしても他で仕事をしなければいけないと、こちらに応募しました。

――そうでしたか。森岡さんは内勤ですか? 

森岡さん:いいえ、交通誘導警備で、屋外での勤務です。今は建設現場で、クレーン車やトラックがスムーズに出入りし、歩行者と接触が起こらないよう誘導しています。

――入社時は78歳ですよね。見た目がお若いとはいえ、体力のほうは大丈夫ですか?

森岡さん:最初の頃は、立ち仕事のために足腰にきてしまい、つらかったです。でも、当社の田中社長の「高齢者にできない仕事は回しません」という言葉に背中を押され、毎日、必死にがんばりました。すると、だんだんと足腰が慣れて、今では体力的につらいと感じることが減りました。あのとき、諦めずに挑戦して本当によかったです。

――それはすごい。いくつになってもよい環境を自ら選び、一歩踏み出せば、新たな可能性が広がる。たくさんの人を勇気づけるお話です。リライアンス・セキュリティーさんに入社して1年以上が経ち、今、入社前と比べてギャップを感じることはありますか?

森岡さん:悪い意味ではなく、いい意味で大きなギャップを感じています。「当社は警備業のテーマパークを目指している。お客さまに感動を与える警備をしてほしい」と言われたときには驚きました。テーマパークのキャストの方々のように、警備の仕事で皆さまに感動を与えられるとは、思ってもいなかったからです。

しかも、その実現のために、徹底した新人研修を行っています。半端さはまるでなく、きっちりと教えてくれます。実は、私には51歳のときに他の警備会社で夜間勤務を行った経験があります。正直なところ、その警備会社とはまるで違う。こんなにも教育に力を入れる会社があるのか、と心底思いました。

私自身、会社が求める域にはまだまだ届いていませんが、どこを目指して警備すればよいかがわかり、「ベストを尽くしていこう」という思いの中で日々仕事をさせてもらっています。

――51歳のときに他の警備会社で働いた経験があるとのことでしたが、その会社と御社では、教育以外で違いがありますか。

森岡さん:社風がまったく違います。リライアンス・セキュリティーは、従業員を徹底的に大事にしていることを肌で感じます。たとえば、夏には幹部の方々が「熱中症対策」といって、頻繁に冷たい飲み物などを差し入れに来てくれるんですよ。こんなに温かい会社があるでしょうか。いい会社に巡り合えたと感謝しています。

――森岡さんは79歳。人生の大先輩でいらっしゃるのに、「今さら教育なんて」と思うことはありませんか?

森岡さん:人間、経験のないことは学ばなければいけない、という思いがあります。若い人たちからも学ぶことはたくさんあります。警備業のテーマパークを目指している会社の一員として、笑顔で現場に立ち、お客さまの仕事がスムーズに進むようがんばりたいと、生活を節制し、日々精進しているところです。そのおかげで、私自身、以前より心身ともに健康になっているんですよ。

2.人間関係のよい会社で働きたい

――では、有田さん、もうお一方のご紹介をお願いできますか?

有田さん:はい。向かって右側は、杉田 実優警備士です。彼女は広島県の女子大を卒業し、昨年4月に新卒で入社しました。

――新卒生は引く手あまたですよね。たくさんの企業の中から、なぜ、このリライアンス・セキュリティーさんを選んだのですか? たとえば、大企業に勤めたいという気持ちはありませんでしたか?

杉田 実優さん(以下、杉田さん):「大企業に就職したい」という学生は多いかもしれません。でも、大企業では大勢の人と人間関係を築かなければならず、異動もあります。就活中、私がいちばん気にしていたのが、「人間関係で悩みたくない」ということでした。私にとって何より大切なのは、会社の規模や知名度ではなく、「人間関係のよい会社で好きな人たちと長く楽しく仕事ができるか」でした。

実際、いろいろな会社さんを訪問していると「この会社、社員さんどうし、あまり仲がよさそうじゃないな」と感じ取ってしまって。そうしたなかで、リライアンス・セキュリティーでは、有田さんがたくさんのことを丁寧に教えてくれ、先輩たちもほがらかで、「この会社、雰囲気がとてもいいな」と好印象を持ちました。

――大企業志向の学生が多い中で、会社の雰囲気や人間関係を重視して就活する学生もいる。中小企業の経営者たちにとって、これほど勇気づけられる話はありません。とはいえ、女性で警備業に就くことに不安はありませんでしたか?

杉田さん:正直、ありました。警備業は「The 体育会系」というイメージで、文化系出身の私には向いていないと思いました。しかも、私は体力が人よりあるわけでも、体を動かすことが好きなわけでもない。そんな不安を打ち消すように、有田さんが「うちの会社は、文化系の人のほうが多いんだよ」と言ってくれたのです。

有田さん:杉田警備士とは、3年生時の3月に行われた合同企業説明会で出会いました。その後、彼女が就活にだいぶ悩んでいるようでしたので、自己分析のフィードバックを提案しました。「自分のよさを大事にして、伸ばしていけばいい」と話したことを覚えています。すると、とても安心したようでした。

杉田さん:あのときは、本当に嬉しかったです。私のことをずっと忘れずにいてくれ、「あなたのことをとことん面倒みますよ」と言ってくれたのです。ここまでしてくれる会社は、他にないかもしれないと思いました。そのことも入社の大きな決め手となりました。

――でも、大切な娘が警備会社に入社するといったら、親御さんは心配したのではないですか?

杉田さん:正直なところ、警備会社は「娘を就職させたくない業種」の一つではないかとも思います。しかも、私の実家は山口県で、両親はリライアンス・セキュリティーについて何も知りませんでした。そこで、ホームページを見せ、ブライト500をはじめ数々の表彰を受けていることを伝え、多くの取材記事を読んでもらいました。すると、「これだけ社会的評価の高い会社ならば、安心だね」と納得してくれました。私のことを深く知っている両親が「いい会社だね」と言ってくれたことが、何より嬉しかったのを覚えています。

――そうでしたか。両親のお墨付きであるその言葉は、採用担当の有田さんにとっても、御社の田中社長にとっても、最高に嬉しい言葉だったはずです。では、実際に入社してみて、どうでしたか?

杉田さん:先輩たちがとても気にかけてくれるので、新卒であっても安心して働けています。交通誘導のしかたも、的確に、しかもわかりやすくアドバイスしてくれ、自分が次にどう動けばよいか理解したうえで警備に当たれます。入社前に心配していた人間関係で悩むこともありません。この会社で間違っていませんでした。

3.夢は先輩社員の背中を追いかけること

――お二人に最後の質問です。今、働きがいを感じるのは、どんなときですか?

森岡さん:仕事が終わり、「今日も無事に終えることができた」と感じる瞬間です。その瞬間に、喜びを感じます。また、警備中、通り過ぎる人たちに笑顔で挨拶すると、相手も笑顔で返してくれたとき、心から嬉しくなります。

――森岡さんは、何歳まで働きたいと考えていますか?

森岡さん:何歳とは決めていませんが、体力が続く限りはがんばりたいです。会社に迷惑がかからないよう、1年1年、勝負していきたいです。そうやって、会社に恩返しをしていきたいですね。

――警備業が、森岡さんの生きがいになっているということですね。すばらしい! では杉田さん、どんなときに働きがいを感じますか?

杉田さん:私は、同級生と比べて、「働くことが楽しいぞ!」と思える瞬間がたくさんあると感じています。今は、ある幼稚園の入り口に交通誘導で立つことが多いのですが、幼稚園生が「スギちゃん、バイバイ!」といってくれ、親御さんたちは「大変なお仕事なのによくがんばっていますね」と声をかけてくださる。「嬉しいな」「楽しいな」と感じる瞬間が、毎日、何回もあります。

パソコンを開いて、大きなお金を動かすような仕事ではありませんが、笑顔で警備をしていると、すれ違う人たちからもたくさんの愛情をいただけることが、この仕事のやりがいだと感じます。

――有田さん、すばらしい社員さんたちですね。感動して、涙が出てきます。杉田さんは将来、こんなふうになりたい、という夢はありますか?

杉田さん:はい。私は有田さんが目標です。この会社に巡り合えたのは、有田さんがきっかけでした。まだまだその域には届きませんが、ゆくゆくは人事や採用活動に携わり、この会社で働く人、そしてこの会社で働きたい人たちの支えとなれるよう、がんばりたいです。

――今日は本当に素晴らしいお話をありがとうございました。世代も立場も異なるお二人が、そろって「この会社で働けてよかった」と語る姿に、リライアンス・セキュリティーさんが健康経営のトップを走り続ける理由を、はっきりと感じました。

取材後記

年齢も立場も違うお二人に共通していたのは、「この会社で働けてよかった」というあふれる思いでした。「人を大切にする」という理念が、言葉だけでなく社風として根づいているからこそ、リライアンス・セキュリティーさんは、健康経営のトップ企業として4年連続でブライト500に選ばれ続けているのだと、心から納得する取材となりました。感謝される喜び、人とのふれあい、仲間との信頼関係。それらが、働くことを「生きがい」に変えていくと、新人警備士のお二人が改めて教えてくれました。


【企業データ】
会社名:リライアンス・セキュリティー株式会社
事業内容:施設警備・交通、雑踏警備・身辺警備・セキュリティコンサルティング
所在地:〒730-0845 広島県広島市中区舟入川口町14番22号
資本金:10百万円
社員数:225名

監修者画像

【監修者】熊倉 利和

一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会 代表理事/IKIGAI WORKS株式会社 代表取締役/IKGAI広場 編集長

新卒であさひ銀行(現りそな銀行)に入行後、慶應義塾大学大学院(MBA)を経て、セルメスタに転職、2011年に代表取締役に就任。2021年、IKIGAI WORKS株式会社を設立。
健康経営伝道師として350社と750万人にデータヘルス計画や健康経営のコンサルティングを実施。生きがい・働きがいを持って経営を推進するトップランナーらとのインタビューや講演、イベント開催など健康経営や働きがいの普及啓発に取り組む。今では健康経営、ウェルビーイング、人的資本経営を包含し、「IKIGAI経営」の普及啓発へ公私ともに邁進。IKIGAIオタクとしてすべての社会に「生きがい」を広めることを生業とする。