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【イベントレポート】「健康経営WEEK2025」開催!企業の数だけある「自分たちらしい健康経営」

今年で9回目となる健康経営優良法人認定制度、3月の発表では、中小企業部門の認定企業数は19,848社(前年比3,115社)と順調に普及拡大しています。

この認定結果の発表のタイミングに併せて、4日間開催された「健康経営WEEK2025」。

本ウェビナーには、全国から多様な企業の経営者が登壇し、現場での実践と葛藤の様子が語られ、なんと延べ51人もの方々が、年度末の忙しい昼休みに参加してくれました。

「なぜ今、健康経営なのか」「人を大切にするとはどういうことか」「その決断が、どう未来を変えたのか」。語られたのは、施策の内容に留まらず、社員の声、現場のリアル、そして企業の覚悟でした。本記事ではウェビナーの内容をダイジェストでお届けします。

【登壇者】
3月17日(月) 『一人二役三役を叶える人材育成・組織づくり』
木下力哉(三幸土木株式会社 代表取締役社長)

3月18日(火) 『挑戦の連続! ブライト500への復活劇』
吉田浩一(ワダカルシウム製薬株式会社 代表取締役社長)
松本珠美(ワダカルシウム製薬株式会社 取締役)

3月19日(水) 『健康経営認定までの遠くて楽しい道のり』
石川武(喜一工具株式会社 代表取締役社長)

3月21日(金) 『採用における健康経営取得の波及効果とは?』
森川孝司(ベイラインエクスプレス株式会社 代表取締役社長)

【パネリスト】
熊倉利和(健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS株式会社 代表取締役)

【ファシリテーター】
渡辺由美子(IKIGAI WORKS株式会社)

1.【三幸土木株式会社】「管理」から「育成」へ 未来を変えるTMO制度

「健康経営は、業績アップにつながるのか?」「ただの福利厚生に過ぎないのでは?」

そんな声も少なくないなか、この認識をいち早く覆し、経営戦略の一貫として健康経営に取り組んできたのが、三幸土木株式会社の木下力哉社長です。

三幸土木は、愛知県日進市に本社を置く建設会社。健康経営を始めたのは、経済産業省が2016年に「健康経営優良法人認定制度」を創設する2年前、2014年のことでした。

以来、健康経営優良法人の認定を9年連続、ブライト500も5年連続で取得しています。

木下社長が健康経営に込める想いは、「社員の健康を守ること」だけにとどまりません。

「会社の風通しをよくしながら、経営戦略の下地をつくる」

それこそが、木下社長にとっての健康経営の重要性。そして、従業員が主体的に活躍する会社を築いていくために必要なのが、健康経営と人的資本経営の連携だと木下社長は語ります。

「従業員を『コスト』ではなく『資源』と捉え、人を大切にし、能力を伸ばしていく。そのためには何が必要か」

そんな問いを自らに投げかけながら、働きがいを高め、従業員の生きがいを築く施策を次々と導入してきました。

現在、三幸土木が実施している健康経営の施策は40種類以上。当初はトップダウンで始まった健康経営も、1年が過ぎた頃から月1回の運営会議で社員からの提案が活発に上がるようになり、社員自身が主役となる自走型の健康経営へと進化しました。

こうした健康経営の積み重ねが、「人を活かす組織づくり」へと発展していきました。

現在、三幸土木が推進しているのが、独自に構築した「チームマネジメントオフィサー(TMO)」制度です。

TMOとは、部署を横断して会社全体を俯瞰し、人材育成や組織マネジメントを担う新たなマネジメント職のこと。従来の「中間管理職=責任ばかり重く報われない」というイメージを覆し、やりがいある立場として再定義されたポジションです。

TMOという役職に就いた社員が担うのは、単なる管理ではありません。たとえば、自身の有給休暇を確保するために、自分の代わりを担える人材の育成に取り組む。勉強会を開き、業務を任せられる関係を築いていく。このように、一人二役・三役をこなせる「多能工人材」の育成をTMOが中心になって推進しているのです。

「ブラック」と呼ばれることの多い建設業界で、三幸土木は健康経営を通じて「ホワイト」な働き方を確立し、いまやその先の「プラチナ企業」への進化を目指している。その原点にこそ健康経営があります。社員の「健康」から始まった改革は、今や「従業員の生きがい」と「会社の未来」を支える力となっているのです。

2.【ワダカルシウム製薬株式会社】原点に立ち返り、ブライト500へ返り咲く

ブライト500は、今や狭き門となっています。

現在、健康経営優良法人の認定企業は2万社を超えていますが、その中で選ばれるのは、わずか500社。中小企業にとっては、非常にハードルの高い目標です。

ワダカルシウム製薬は、大阪府大阪市に本社を置くOTC医薬品・健康食品メーカー。同社が健康経営に取り組み始めたのは2019年です。それ以来、毎年欠かさず優良法人の認定を受け、2022年にはブライト500にも選ばれました。

ところが翌年、惜しくもその座を逃します。しかし、ワダカルシウム製薬は歩みを止めず、2025年には再び選出を果たしました。

この復活劇を支えた最大の要因は何だったのでしょうか。

「初心に立ち返り、申請書を一つひとつ丹念に見直しました」

そう語るのは、吉田社長と共に健康経営を推進してきた松本さんです。

申請書は毎年少しずつ更新され、女性の健康支援や高齢社員の活用など、企業に求められる役割も変化しています。

吉田社長と松本さんは、その変化にしっかり目を向け、社会の期待を読み取りながら、自社の施策へ丁寧に反映していきました。

立ち返ったのは、同社の原点である「歩くと元気をささえます」という社是です。これは単なるスローガンではなく、お客様の健康増進をサポートする事業と深く結びついた理念です。「歩くことは健康の第一歩」。その思いをお客様に届ける会社だからこそ、従業員自身にも楽しんで歩いてほしいという願いがありました。

そこで、「歩数に応じて社会に寄付をする」制度を設け、従業員のモチベーションを高めました。また、気軽に楽しめるウォーキングイベントへの参加などを通じて、歩くことを義務ではなく、喜びや楽しみに変える工夫を重ねてきました。

次に取り組んだのが、健康経営を担うメンバーの若返りです。

これまでは管理部門が中心を担ってきましたが、新たに若手を巻き込んだプロジェクトチームを結成。「やらされている」のではなく、「自分たちが会社を動かしている」という実感が、若手従業員の大きな成長につながっています。

現在は、社外への発信にも力を入れています。たとえば、IKIGAI WORKSなどの催しに積極的に参加し、「健康経営の広場」を通じて取り組みを広く共有。自社のホームページでも活動を見える化することで、社内外の共感と応援を生み出しています。

とことん学びながら健康経営を楽しみ、従業員みんなで成長していく。

そんな企業文化こそが、ブライト500への返り咲きを支えた最大の力なのでしょう。

3.【喜一工具株式会社】遠く離れていても心は一つ

喜一工具株式会社は、大阪府東大阪市に本社を置く、機械工具などの専門商社です。かつて同社では、社員の離職が大きな課題となっていました。新たに入社しても、それ以上の人数が辞めてしまう。そんな悪循環が続いていたのです。

業績回復を託されて2022年に入社し、翌年社長に就任した石川氏。業態の立て直しに向けて、まず取り組んだのが、経営戦略としての健康経営の導入でした。「人が辞める会社では、いい仕事ができない」との想いから、健康経営を経営戦略のツールと捉え、会社づくりの軸に据えたのです。

喜一工具は、Joyful喜一ホールディングス株式会社のグループ企業です。石川社長はグループ全体に呼びかけ、ホールディングス全体で健康経営をスタート。いわば「2階建て」の健康経営という考え方を取り入れました。

1階部分は、健診やストレスチェックなど全体共通の基盤づくり。2階部分は、各社ごとの独自施策です。事業内容が異なれば、従業員が必要とする健康のあり方も違う。この柔軟さこそが、現場に根づく健康経営を実現させました。

健康経営の方向性を定めるうえで大切にしたのが、パーパスの存在です。石川社長が従業員一人ひとりと向き合いながら共に考えた、“従業員のための理念”。それが、「人の手が支えるセカイを支える」です。手を使って働く現場の人を支え、その先の世界を支えていく。そうした想いが込められています。

一方で、喜一工具には大きな課題がありました。それは、社員同士のつながりの希薄さです。全国各地に社員が散らばっており、拠点に従業員は一人だけというケースも少なくありません。寂しさや不安など、心の健康へのケアが急務でした。

「心・知・体。この3つがバランスよく整ってこそ、人は安心して働き、力を発揮できる」

そこで、石川社長がこの課題を解決するために導入した施策の一つが、テニスなどのオンラインゲームを昼休みに従業員みんなで楽しむこと。遊びを通じたコミュニケーションによって笑顔と会話が生まれ、拠点は遠く離れていても、心の距離はぐっと縮まりました。

なお、健康経営の中心を担ったのは、グループ企業や部門の垣根を越えて選ばれた約20名の社内メンバーです。同ホールディングスでは、「健康経営宣言」ではなく「健康宣言」と名付けています。それは、認定取得のためではなく、一人ひとりの健康と働きがいから健康経営を出発したいという想いが込められているからです。

社員がワクワクしながら取り組むことで、健康経営は“やらされるもの”ではなく“自分たちのもの”へと変わっていきました。その積み重ねが社内風土を少しずつ変え、なんと離職が止まり、エンゲージメントも向上。今では「うちの会社、いいよね」という声と笑顔が、自然と生まれています。

4.【ベイラインエクスプレス株式会社】「働きやすさ」と「生きがい」が人を引き寄せる

コロナ禍の影響で、大打撃を受けた観光バスの「WILLER」業界。

神奈川県川崎市に本社を構えるベイラインエクスプレス株式会社も例外ではありませんでした。

売上はコロナ前のわずか5%。従業員も半分に減り、「このままでは終わるかもしれない」という背水の陣の最中、森川社長はこう決意しました。

「持てる力はすべて、変化に使おう」

コスト削減は避けられない。しかし、その中でこそ、従業員のためになることはすべてチャレンジしてみようとの思いが、健康経営を続ける原動力となったのです。

実はベイラインエクスプレスでは、2018年から健康経営に本格的に取り組んでおり、運転中のドライバーの突然死が問題となる中、いち早く脳ドックや睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査を導入。必要に応じてCPAP機器(睡眠時無呼吸症候群の治療装置)の費用補助も行ってきました。

しかし、緊急事態宣言が相次ぐ中、毎年の健康施策も一度は中止を検討せざるを得なくなりました。そのとき、ある社員の一言が、森川社長の決意を揺さぶりました。

「会社は健康経営を掲げていますよね。それで、いいんですか?」

この言葉が、同社の“らしさ”を問い直すきっかけとなったのです。

ベイラインエクスプレスは、厳しい状況でも健康経営を貫きました。短時間勤務やアルバイト制の導入など、多様な働き方にも対応し、「すべての人が働きやすい環境づくり」に力を注ぎ込んだのです。

また、社内SNSでは新入社員が日報を投稿し、全社員がコメントを送り合う仕組みを導入。新人の悩みにみんなで応えていくような温かいつながりを生み出しました。また、ドライバーが出張先で写真を投稿することも。投稿にはポイントが付き、社内通貨として活用されるなど、楽しみながら続けられる工夫もあります。

そうした積み重ねが、会社の空気を変え、そして、社会へと波及していきました。

「健康経営がしっかりしている会社で働きたい」と応募してくる人が次々に現れ、今では元飲食業や元警察官など、さまざまな職種の人財が同社で活躍。社員数はコロナ前を大幅に超え、しかも平均年収は上昇しています。「人が集まらない」と言われるこの時代に、健康経営が採用力と定着力を高める武器になっているのです。

森川社長は語ります。

「健康経営とは、働きやすさと従業員の生きがいを整えること。そういう会社が、就職したいと思ってもらえる会社になる」

“もう最後かもしれない”という覚悟で踏み出したあの日の挑戦。困難に屈せず、健康経営を貫いた森川社長の決意が、ベイラインエクスプレスの未来を切り拓いたのです。

取材後記

健康経営とは、施策を整えることにとどまらず、従業員一人ひとりの働きやすさを見つめ直すこと。日々の仕事を通じて、働きがいが従業員の「生きがい」となり、それが組織全体のパワーへとつながっていく。そんな姿が、このウェビナーではくり返し語られました。

健康経営に正解はありません。それぞれの企業が「自分たちらしさ」を大切にしながら、試行錯誤を重ねていく。「健康経営WEEK 2025」は、そんな企業の歩みに触れ、健康経営の可能性を改めて実感できた4日間となりました。

私たちIKIGAI WORKSでは、健康経営を通じて組織をより発展させたいと考える企業のみなさまを対象に、企業間で学び合うコミュニティ「Life Workers」を運営しています。これからも「健康経営WEEK」のようなイベントをどんどん開催していく予定です。ぜひ、ご期待ください。


【企業データ】
会社名:
三幸土木株式会社
事業内容:土木建築一式工事/建築資材の販売/砕石、砂利の採取及び販売/産業廃棄物収集運搬業/前各号に付帯関連する一切の業務
所在地:(日進本店)〒470-0103 愛知県日進市北新町北鶯91-5
資本金:30百万円
社員数:85名

会社名ワダカルシウム製薬株式会社
事業内容:OTC医薬品・健康食品の製造販売
所在地:〒534-0024 大阪市都島区東野田町4丁目1-17
資本金:98百万円(1998年2月1日増資)
社員数:31名

会社名:ベイラインエクスプレス株式会社
事業内容:高速バス・夜行バスの運行/企業送迎バスの運行/人材紹介
所在地:神奈川県川崎市川崎区塩浜2-10-1
資本金:20百万円​​​​​​​
社員数:80名

会社名:喜一工具株式会社
事業内容:国内外有名機械工具等の卸販売及び輸出入業務
所在地:〒578-0965 東大阪市本庄西2-6-11
資本金:20百万円
社員数:110名