話題から検索

#DX推進#PDCA#SDGs#インターンシップ#ウェルビーイング#エンゲージメント#くるみん#コミュニケーション#サステナビリティ#ストレスマネジメント#ダイエット#ダイバーシティ#データヘルス#トップピックアップ#パーパス経営#ひとづくり経営#ブライト500#ブランディング#ヘルスケア#ホワイト500#ホワイト企業#マインドフルネス#メンタルヘルス#モチベーション#ライフワークバランス#ワークライフバランス#三極採用#人材育成#人的資本経営#介護支援#企業交流#企業文化#保健指導#健康#健康寿命#健康施策#健康経営#健康診断#働きがい#働きかた#働き方改革#優良法人認定#労災#動画#地域貢献#地域連携#女性活躍#学生#学生インタビュー#学生取材#安全衛生#就活#広報戦略#建設業#採用戦略#海外人材#生きがい組織#生活習慣病対策#社会貢献#社内コミュニケーション#社内大学#社員エンゲージメント#社員教育#禁煙推進#福利厚生#組織体制#組織改革#組織文化#組織活性化#経営コンサル#経営戦略#経営改革#経営理念#職場環境改善#育児支援#認定制度#運動習慣#離職率改善#食育#IKIGAI人生#キャリア形成#やりがい#人材マネジメント#人生100年時代#人財#人財育成#地域共創#地域課題解決#存在意義#生きがい#組織エンゲージメント#組織マネジメント#経営哲学#自己成長#自律型人材育成#自律自走型組織#若手育成#ETHICAL EXPO#IKIGAI#IKIGAI mandara#IKIGAI宣言#IKIGAI研修#IKIGAI経営#PDCAサイクル#well-being#Z世代#オンラインセミナー#かちぞうゼミ#デザイン経営#ピックアップ#マイプロジェクト#ヨガ#保健事業#健保組合#健康経営優良法人#健康関数#共創コミュニティ#大学連携#就活トレンド#就職#復興支援#採用ブランディング#減算インセンティブ#産学連携#睡眠改善#瞑想#社会的健康#組織改善#自己理解#コミュニティ#ワークインライフ#人手不足#人材活用#働いてもらい方改革#働く人の健康#地方創生#教育改革#新しい働き方#社会人教育#職場環境
  • TOP
  • IKIGAI経営インタビュー
  • 「人を育てる」が本業。遊び心と仕組みで未来をデザインする経営(株式会社リーフワークス)

「人を育てる」が本業。遊び心と仕組みで未来をデザインする経営(株式会社リーフワークス)

社員の成長こそが会社の成長エンジンである。滋賀県大津市に本社を構える株式会社リーフワークスは、「本業は人を育てること、事業は副業」というユニークな哲学を掲げるIT企業です。代表の澤 健太氏が22歳で創業して以来、トップダウンの組織から、社員一人ひとりが主役となり、成長を楽しみながら未来を共創していく「場の経営」へと進化を遂げてきました。その根底には、社員の「豊かさ」を追求する一貫した想いがあります。今回は、同社の澤 健太代表と、その想いを支える総務部の小川 アカネさんに、組織文化と働きがいについて伺いました。

株式会社リーフワークス:澤 健太さん(代表取締役)、小川 アカネさん(総務部 総務課 課長補佐)

1.スーパーマン経営からの転換

――本日はありがとうございます。澤社長は22歳という若さで創業されたそうですが、まずは会社の成り立ちからお聞かせいただけますか。

澤 健太さん(以下、澤さん): もともと中学生くらいからプログラミングを始めて、自分でゲームを作りたかったんです。高校生の時にはゲーム会社からオファーをいただいて仕事として作るようになり、専門学校もゲーム系に進みました。ただ、僕が学生の頃にはゲーム開発が大規模化していて、何百人の中の一人になるのが嫌でWebの道に転向したんです。その後、求人サイトの会社でアルバイトをしている時に自分で作ったシステムがヒットして、取締役に抜擢され、そこから三年後に独立して、2010年にリーフワークスを立ち上げました。

――まさにスーパーエンジニアですね。創業当初は、澤社長がすべてを牽引するような形だったのでしょうか。

澤さん: そうですね、僕が1人で何でもやっちゃうタイプでしたので。でも、そのやり方にはキャパシティの問題があって、スケールしないし人が育たない。そんな中で僕が多忙な時、メンバーが自分なりにやってみた結果、お客さんの心を掴んでいたり。

――澤さんのやり方だけが正解ではなかったと。

澤さん: そうなんです。「やり方って一つじゃないんだな」と気づき始めました。それぞれの個性によってお客さんとの関係性の作り方も違うし、プロダクトの作り方も違う。いろんなやり方があって正解はないんですよね。そういうケースが増えてくるのを見て、「すごいな、僕がやるより、その子がやった方がいいな」と思えることが増えてきました。そこから、メンバーの個性を活かしたり、成長を見ることが楽しくなっていったんです。

――経営者としての大きな転換点ですね。それはいつ頃のことですか?

澤さん: 会社設立10期目の頃、今から5~6年前ですね。20人くらいの規模になるまでは、トップダウン傾向が強かったです。でも、メンバーの成長や喜びが自分自身の喜びに感じるようになって、軸が自分から周りの人たちに変わっていきました。ちょうど子育てもする中で、子供の成長を見る喜びとメンバーが育っていく喜びがリンクするようになってきたのかもしれません。

2.事業は社員の成長を表現する舞台

――「人を育てる」ということが、経営の大きなテーマになっていったのですね。

澤さん: まさにそうです。今、僕らの会社では「本業は人を育てること、事業は副業だ」と言っています。人を育てていった中で、メンバーがやっている一つひとつの事業が「ブランド」になっていくという考え方です。

――その想いは、具体的な仕組みにも反映されているのでしょうか。

澤さん: 評価制度がその一つです。5年ほど前に、僕や当時の幹部で議論しながら、会社の行動指針やあるべき姿をコンピテンシー(行動特性)として評価項目に落とし込みました。その評価シートをもとに、3ヶ月に1回、1人あたり1~2時間かけて面談を行っています。

――3ヶ月に1度、2時間もですか!

澤さん: 以前は僕が20人くらいまで全員と面談していましたが、さすがに業務が止まるので(笑)、今は各部署の上長がその役割を担ってくれています。面談時間のほとんどは、評価の説明というより、この3ヶ月どうするか、キャリアをどう考えるかといった相談を受ける場になっています。メンター的な対話の時間ですね。

――なるほど。健康経営の取り組みも、その「人を育てる」という文脈で捉えられているのでしょうか。ブライト500も取得されていますよね。

澤さん: 健康経営も、認定を取るためにやっているわけでは全くありません。メンバーにとってその方が豊かだよね、と思えることをやっているだけです。 実は、最初に申請した年にたまたまブライト500が取れたんです。でも翌年、何も考えずにそのまま出したら落ちてしまって。それが僕以上に担当してくれたメンバーたちが悔しがって、「絶対リベンジする」と自分ごととして動いてくれたんです。結果、今回また奪還することができました。

――素晴らしいですね。そういった社員の皆さんの成長や、人生が豊かになっていく姿を見ることが、澤社長のやりがいになっている。

澤さん: 本当にそうですね。自分のことより、周りのメンバーの給料やスキルをどうやって上げていこうかと考える方が楽しいです。最近だと、「家を建てたよ」とか「結婚するよ」という報告がすごく嬉しい。それは、会社として安心してくれているから、未来が明るいと思ってくれているからこその決断だと思うんです。そういうフィードバックをもらった時に、「やっててよかったな、もっとやろう」と思えますね。

3.対話が育む、フラットな組織文化

――社員一人ひとりが主役であるという想いが伝わってきます。小川さんは、実際働かれていて、会社の雰囲気をどのように感じていますか?

小川 アカネさん(以下、小川さん): 私は6年ほど前、パートとして入社したのですが、今まで勤めてきたどの会社よりも、群を抜いてすごく話を聞いてくれる会社だと感じています。私が「こんなことしてみたいな」とポロッと言ったことも、澤が「それ面白そうやん、やってみよう」という感じで乗ってくれるんです。

――社長がそういう姿勢だと、社員の方も意見を言いやすいですね。

小川さん: はい、澤がそういう空気を作ってくれているので、会社全体がそうなっています。入社したばかりの若い子も、自分の上司や澤に「僕はこう思います」と活発に意見を言える環境です。そこがこの会社の一番いいポイントなんじゃないかなと思っています。

――トップの指示が絶対ではない、と。健全な対話ができる関係性が素晴らしいです。

澤さん: むしろ僕が怒られることもちょこちょこありますよ(笑)。

――そうした風土は、働きやすさにも繋がっていそうです。

澤さん: 男性の育休取得率がめちゃくちゃ高いですね。期間は2週間から3ヶ月と様々ですが。以前、育休を取ったメンバーが、どういう動きをしたのかレポートをあげてくれたんです。特に2人目以降の子育ては、男性のサポートがないと家庭が崩壊しかねないというリアルな内容で、それによって社内の理解がすごく進みました。

4.仲間と目指す100億円企業への道

――会社の未来についてもお聞かせください。2030年に100億円企業を目指すという大きな目標を掲げられていますね。

澤さん: はい。その目標達成のためにはM&A戦略も必要だと考えています。ただ、僕にとってのM&Aは、単なる事業買収ではなく「仲間集め」という感覚なんです。相手の会社の社長さんと話をしていて、僕が「あれやりたい、これやりたい」と話すと、相手が「面白そうだから一緒にやりましょうか」と乗り気になってくれて成立する、というケースが続いています。

――まさに『ONE PIECE』のルフィのようですね。

澤さん: (笑)。わがままを聞いてくれる仲間が増えている感覚ですね。グループ会社の社長も、うちの社員も、あまり変わらない。みんなで一緒に面白いことをやっていきたいんです。会社を大きくする理由も、メンバーに「選択肢」を多く提供したいから。社内でいろんな事業に飛び移れる方が、その子たちがやりたいことや成長したいことが見つかるじゃないですか。

――現在のオフィスも、来年の移転後はインキュベーションオフィスとして活用されるそうですね。

澤さん: はい。この大津市で創業できるような、クリエイティビティをサポートする拠点にしたいと考えています。社内のメンバーが週末にここで何か新しいことを始めてもいいし、そこで生まれた事業に僕らのCVCファンドが出資することもできる。そういう仕組みを準備しています。地域にそういう場が生まれること自体に価値があると思っていますし、それが巡り巡って、うちのメンバーのモチベーションアップや採用にも繋がればいいなと。

――どこまでも「人」が中心にあるのですね。最後に、澤社長が仕事を通じて実現したい世界観を教えてください。

澤さん: 僕の興味関心は「世の中の仕組み」にあるんです。ビジネスモデルも社会制度も、もっとこうしたら面白くなるのに、もっと豊かになるのに、と思うことがたくさんある。そのアイデアの種を、仲間と一緒に形にしていく。そのプロセスがとにかく楽しいんです。昨日より今日、今日より明日が豊かになれば、それでいい。まずは自分が満たされ、次に周りの人が満たされ、その輪が地域や社会に広がっていく。その影響力を少しずつでも増やしていきたいですね。

取材後記

澤社長の「人を育てるのが本業」という言葉は、単なるスローガンではありませんでした。それは、創業当初のトップダウン経営の限界から学び、社員一人ひとりの可能性を信じる「あり方の経営」へ転換を遂げた、経営者自身の物語そのものでした。
リーフワークス社の強さは、評価制度や健康経営といった個別の施策(やり方)にあるのではなく、それら全てを貫く「社員の豊かさを追求する」という一貫した想い(あり方)にあります。澤社長という太陽を中心に、社員が安心して挑戦し、対話し、成長できる「場」が育まれている。だからこそ、社員は会社の目標を「自分ごと」として捉え、自律的に動き出す。これこそが、同社が実践する「IKIGAI経営」の本質だと感じました。
「僕のわがままをみんなが聞いてくれる」と笑う澤社長の姿は、孤独なトップではなく、仲間と共に冒険を楽しむ船長のようでした。人を信じ、場を育むことで、組織がいかに強く、創造的になれるか。リーフワークスの航海は、多くの経営者に希望を与えるものだと確信しています。


【企業データ】
会社名:
株式会社リーフワークス
事業内容: クラウドソリューション事業、Webインテグレーション事業、ECソリューション事業
所在地: 〒520-0241 滋賀県大津市今堅田2丁目10-4
資本金: 10百万円
従業員数: 68名(2024年4月1日現在)

監修者画像

【監修者】熊倉 利和

一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会 代表理事/IKIGAI WORKS株式会社 代表取締役/IKGAI広場 編集長

新卒であさひ銀行(元りそな銀行)に入行後、慶應義塾大学大学院(MBA)を経て、セルメスタに転職、2011年に代表取締役に就任。2021年、IKIGAI WORKS株式会社を設立。
健康経営伝道師として350社と750万人にデータヘルス計画や健康経営のコンサルティングを実施。生きがい・働きがいを持って経営を推進するトップランナーらとのインタビューや講演、イベント開催など健康経営や働きがいの普及啓発に取り組む。今では健康経営、ウェルビーイング、人的資本経営を包含し、「IKIGAI経営」の普及啓発へ公私ともに邁進。IKIGAIオタクとしてすべての社会に「生きがい」を広めることを生業とする。

次へ