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【八ヶ岳IKIGAI新人合宿レポート】個々のIKIGAIを、会社のパーパスとつなぐ。仲間とともに、自分の軸に出会った2日間

2026年5月21日から22日にかけて、八ヶ岳の麓で、一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会主催の「IKIGAI新人合宿」が開催されました。主役は、三幸土木株式会社の若手社員5名です。

この合宿のテーマは、「自身のIKIGAI(生きがい)を言語化し、それを自社のパーパス(存在意義)とつなぐこと」。そして、その体験を入社まもない同期同士で分かち合う、チームビルディングの場をつくることでした。

背景には、同社の代表と専務が先行して参加した「IKIGAI経営合宿」がありました。経営陣は、自らのIKIGAIを言葉にし、それを会社のパーパスと接続することで、働くことへの新しいワクワク感を体感していました。「自分の働きが、会社の成長につながる」。その手応えを、これからの三幸土木を担う若手にも味わってほしい——。そんな願いから、八ヶ岳の大自然を舞台にした2日間が始まりました。

肩書きや成果ではなく、一人の「人」として自分と向き合う。その先で、仲間と分かち合えるものは何か。新入社員たちの、省察と発見の記録をお届けします。

監修者画像

【監修者】熊倉 利和

一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会 代表理事/IKIGAI WORKS株式会社 代表取締役/IKIGAI広場 編集長

新卒であさひ銀行(現りそな銀行)に入行後、慶應義塾大学大学院(MBA)を経て、セルメスタに転職、2011年に代表取締役に就任。2021年、IKIGAI WORKS株式会社を設立。
健康経営伝道師として350社と750万人にデータヘルス計画や健康経営のコンサルティングを実施。生きがい・働きがいを持って経営を推進するトップランナーらとのインタビューや講演、イベント開催など健康経営や働きがいの普及啓発に取り組む。今では健康経営、ウェルビーイング、人的資本経営を包含し、「IKIGAI経営」の普及啓発へ公私ともに邁進。IKIGAIオタクとしてすべての社会に「生きがい」を広めることを生業とする。

IKIGAI新人合宿 開催企業
三幸土木株式会社:新人社員5名
引率:木下 卓大さん(専務取締役)、葛西 識名さん(企画総務部 主任)
主催
一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会 担当:IKIGAImandala™/パーパス接続
熊倉 利和(代表理事)、渡辺 由美子(理事)、大橋 渉太
共催
一般社団法人アートピースジャパン 担当:IKIGAIアート
矢崎 千惠(代表理事)

1. 塗り絵でわたしを解き放つ

合宿は、静かなアートの時間から始まりました。共催である一般社団法人アートピースジャパン代表理事であり、アーティスト「千空」としても活動する矢崎 千惠氏による、アートを通じた”心の解放”のワークです。

「今日は上司も部下も、先輩後輩もありません。ただ一人の人として、自分に向き合ってください」。そう語りかける千惠さんは、参加者に、自分の名前をひらがなで大きく書くよう求めました。

「うまく塗る必要はありません。今、自分が何を感じているかを大切に」。アートと聞くと「上手に塗らなければ」と身構えてしまう新人たちも、色を選び、無心に手を動かすうちに、表情から少しずつ余計な力が抜けていきました。何かを成し遂げるためではなく、ただ感じるための時間。それは、張りつめた日常から離れ、自分の感性をひらいていく時間でもありました。

2. 内なる燃料を見つめる

午前中に心を開き、手作りカレーのランチタイムでお腹も満たされた後、いよいよ本質的な問いへと進みます。ナビゲーターの熊倉 利和さん、渡辺 由美子さん、大橋 渉太さんのもと、自分のIKIGAIを可視化する「IKIGAImandala™(生きがいマンダラ)」に取り組みました。

これは、「好きなこと」「得意なこと」「喜ばれること」「稼げること」という4つの問いを手がかりに、自分の生きがいの輪郭を描いていくツールです。職場という枠を超えて、これまでの歩みや、心の奥にある願いを、一つひとつ言葉にしていきます。それは時に、自分の弱さや迷いと向き合う作業でもありますが、八ヶ岳の穏やかな環境が、参加者の率直な言葉を引き出していきました。引率の木下 卓大専務と葛西 識名さんも、一人の参加者として同じ輪に加わります。

そして対話の終わりに、5人それぞれが、自分のIKIGAIを自分の言葉にしていきました。ある人は、自分の核を「自分がなごやかでいることで、周りもなごやかにすること」と言い表しました。別の人は「いざという時に、人から頼られる存在でありたい」と。同じ会社の仲間でありながら、その生きがいのかたちは、一人ひとり驚くほど違う。互いの言葉に耳を澄ませたこの時間が、翌日への確かな土台になりました。

3. IKIGAIとパーパスをつなぐ

2日目のテーマは、前日に見つけた個人のIKIGAIを、自社のパーパスとどうつなげていくか、でした。個人としての願いが、組織のなかでどのような役割や意味を持ちうるのか。その接点を、それぞれが言葉と表現の両面から探っていきます。

アートワークは、前日の「手放す」プロセスから一転し、「生み出す」ことがテーマになりました。参加者はパステルなどの画材を手に取り、あえて利き手ではない手で描き始めます。慣れた手を使わないことで、思い通りに描こうとする癖がゆるみ、言葉になる前の感覚が、そのまま紙の上にあらわれていく。やがて一人ひとりの色が混ざり合い、みんなで一枚の絵が生まれていきました。

午後は、いよいよ会社と個人が繋がっていきます。自分の生きがいと、会社の経営理念「地域の皆様、お客様、そして社員とその家族の幸せを願う」を一つに結んだ「マイスローガン」を探ります。「和やか」「コト返し」「巡る」——短い言葉のなかに、それぞれが「自分のIKIGAIを、会社のなかでどう生かすか」という覚悟を込めて、ひとりひとり堂々と発表していきました。

引率の木下 卓大専務も、自らのスローガンを掲げます。「社員一人ひとりが幸せの土台となり、その可能性を広げていける。三幸土木が、そんな”幸せ発生装置”のような会社でありたい」。創業者である祖父が遺した「人の幸せを願うのが、本当の幸せ」という言葉を引きながら語るその姿に、個人の生きがいと会社のパーパスが、確かに響き合っていました。

4. 余白が変化を生む

この合宿でもう一つ大切にされていたのが、プログラムとプログラムの「あいだ」にある、余白の時間でした。

ワークを終えた後、みんなで近くを散歩したり、ピザ窯を囲んだり、サウナで汗を流したり。現場に出ると顔を合わせる機会の少ない同期同士が、肩の力を抜いて、言葉を交わしていきます。ある参加者は「同期とゆっくり話す機会がこれまでなかったので、貴重だった」と振り返りました。役割や成果から離れた余白の時間こそが、チームの距離を、静かに縮めていきます。

2日間の最後は、感想のシェアタイムでした。「マンダラを前にしたときは『もう無理だ』と思ったけれど、自分でも思っていなかったことを聞き出してもらえて、楽しかった」「働き始めてまだ間もない自分が、そこまで深く考えているのか不安だったけれど、自分にも未来への思いや野心が芽生えていると感じられた」——。来たときの不安や緊張は、いつのまにか晴れやかな表情に変わっていました。最後は、2日間を走り抜いた自分自身への拍手とともに、合宿は幕を閉じました。

取材後記

「自分なんかが生きがいを語っていいのだろうか」と戸惑っていた新人たちが、対話とアートを通じて、みるみる瞳を輝かせていく。その変化が、何より心に残りました。

自分の生きがいを言葉にし、それを会社のパーパスと重ねてみる。個人の願いと組織の未来は、対立するものではなく、むしろ響き合うものなのだと、参加者たちは身をもって知ったようでした。同じ2日間を過ごした同期は、もう「ただ入社年次が同じ人」ではなく、互いの根っこを知る仲間になっています。

自分のIKIGAIを見つけた5人が、これからそれぞれの現場で、どんなふうにその生きがいを働き方に織り込んでいくのか。三幸土木という会社が、一人ひとりの生きがいを育てる「土壌」になろうとしている——その確かな鼓動を、八ヶ岳の風のなかに感じた2日間でした。

※今回の新人合宿で行われたアートワークの費用は、一般社団法人アートピースジャパンの活動費として寄付されています。


【企業データ】
会社名:三幸土木株式会社
事業内容:土木建築一式工事、建築資材の販売/砕石、砂利の採取及び販売、産業廃棄物収集運搬業、前各号に付帯関連する一切の業務
所在地:(日進本店)〒470-0103 愛知県日進市北新町北鶯91-5
資本金:30百万円
社員数:103名

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