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シリーズ『私の生きがい組織』(第六回) 一人一人と向き合い、家族のように愛情深く

名古屋に本社を置く株式会社ラッシュ・インターナショナルは、消費者目線を活かしたインターネット関連ビジネスを展開。特徴的なのは社員の約95%が女性であり、そのうちの約1割がADHDであること。
創業者である倉田氏は、社員の多様性を受け入れ、個性を伸ばすことで会社も自分自身も成長できたと話します。
(インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表取締役社長 熊倉利和)

1.無知で向こう見ず。だから起業できた

私がラッシュ・インターナショナルを創業したのは2002年のことです。もともとは大手自動車メーカーで働いていたのですが、結婚を機に退職。直接のきっかけは結婚でしたが、自分の思ったような仕事や働き方ができないということが退職の大きな理由としてありました。

私は性格的に、やるべきことは自分で決め、やったらやっただけ周りからも認めてもらいたいタイプです。仕事でもそうしたかったのですが、自分の裁量ではなく、誰かにやらされる仕事をすることにずっと不満を感じていました。

ただ、冷静に考えてみれば、新卒で入ってさほど時間が経っていない私のような者の言うことが、世界中でビジネスを展開する大企業でそのまま通るはずもありません。でも、当時の私はそんな常識すら持っていませんでした。

退職後、専業主婦に納まる気は全くありませんでした。時間を持て余してしまうんじゃないかと思っていましたし、自分の人生を人に委ねることも嫌でした。何があっても、自分で自分の人生を切り開いていけるスキルや行動力は持っていたかったので、働かないという選択肢は私にはありませんでした。

そして、ラッシュ・インターナショナルを自分の手で創業しました。会社を作った当時、子どもはまだ0歳と2歳。子どもの世話だけでも大変なのに、起業するなんてどうかしていると思った人もいるでしょう。

ですが、逆に考えると、会社をスタートさせた時が一番大変ならば、時間が経つにつれてどんどん楽になっていくに違いないと楽天的に考えていました。また、私には根拠のない自信があって、「自分が何も仕事をせずにいるのは、社会にとっても大きな損失だ」くらいに思っていました。

今、振り返ると勘違いも甚だしく、いい加減にしなさい、とあの時の自分に言いたい(笑)。ですが、無知で向こう見ずだったからこそ起業でき、25年以上、会社を続けられてきたのかもしれません。

2.多様性を受け入れることで自分自身も成長

ラッシュ・インターナショナルは、インターネット関連を中心に、お客様の商品やサービスの販売促進を様々なコンテンツを通じて支援している企業です。

会社を始めて25年以上過ぎましたが、私の考え方も徐々に変化していきました。

仕事で高いパフォーマンスを発揮し、それに見合った報酬をもらうというスタイルが自分には合っているし、そういう会社にしていきたいと考えていました。

実際、会社を始めた頃は、同じ想いや志を持つ人たちが自然と集まってきてくれましたし、社員10人くらいの規模まではそういう考えに基づいた経営ができていたと思います。今もディレクター職などを中心に、仕事に対する意欲が高く、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれる人が数多くいます。

人は一人一人違いますし、人生には波があります。ですから、それぞれの人の仕事に対する志向、プライベートの事情もしっかり理解し、安心して働いてもらえるようにすることが経営者の責任です。

お陰様でファミリーフレンドリー企業やホワイト企業大賞、ダイバーシティー企業100選、女性活躍推進企業などにも選んでいただけるようになっています。ただ、これも賞狙いというのではなく、社員はほぼ女性ですし、20代から50代まで幅広い世代が働いてくれています。結婚、出産、子育てなどで変化する社員個々の生活や悩みに一つ一つ対応してきた結果に過ぎません。

今になって働き方改革やダイバーシティーという言葉が広まっていますが、私たちは20年以上前から取り組んでいたことです。そういった意味では、世の中がやっと私たちに追いついてきたのかもしれません(笑)。

今、新型コロナウイルス感染症の影響でようやく浸透してきましたが、リモートワーク、テレワークも当社が創業当時から取り組んできたことの一つです。リモートワークならば、子育て中の女性などもより働きやすくなりますので、早い段階から積極的に活用してきました。

私たちが始めた頃は、テレビ会議システムを導入するのにも何百万円もかかりましたが、今はオンライン会議などのツールも進化し、費用もあまりかからない。リモートワークには便利な時代になっていますね。

3.社員のやりがいと利益を両立させる経営

振り返ってみれば、「こんな会社にしたいんだ!」という私の我儘でここまで来てしまった部分も少なくないかもしれません。でも、それが他の会社にはないラッシュ・インターナショナルの個性にもなっているのだと思います。

そんな会社の大事なピースとなってくれているのがADHDの人たち。当社の社員の約1割がADHDです。ADHDはタイプによって得意なこと、苦手なことがあります。いざ集中した時の力は目を見張るものがあって、私たちにもとても真似のできない能力を持っています。その一方、苦手なことをさせてしまうと、驚くほど全くできなかったりします(笑)

その人の能力を発揮させるためには、会社のみんながその人の個性を理解する必要がありますし、できる仕事を見つける、作るという作業も発生します。それは、他の社員の仕事を増やすことにもなりかねません。特に管理職は大変でしょうが、不満が出ても、「何かの縁があってウチに来てくれたのだし、やる気のある人のことは決して辞めさせない会社なんだよ。それにスタッフのマネジメントもできないのにお客様を説得できるはずがないよ」と少々強引なことを言って、納得してもらいます(笑)。

ですが、この人が一番力を発揮させるために何をすればいいのか、安心して仕事に集中できるためにはどうすればいいのかということを考えることは、ADHDに限らず、人と仕事をする上でとても大切なことだと思います。

経営はパズルと一緒です。その人のやりたいこと、力を発揮できることを探し、当てはめます。そのピースがきっちりハマれば、仕事の質が高まり、お客様にご満足いただけ、会社として利益を出せます。そんなパズルの組み合わせを日々やっているようなものです。

うまくいかないことがあれば、また社員と一緒にパズルを作り直していけばいいだけです。新しいピースをみんなで考えながら、理想のパズルを完成させていく。それが会社経営や仕事の醍醐味、楽しさなのではないでしょうか。

【編集後記】

とてもさっぱりとした性格で、裏表なく、誰とでも誠実に接する倉田氏。社員のみなさんに対しても、優しいだけでなく、時に厳しく、本気で向き合います。そこには、「私の作った会社で働いてくれているだけで、ありがとうと思ってしまう。欠点があっても、みんなのことが大好きなんです」という深い愛情があります。社員に何らかの病気の可能性を感じた場合でも、「もし病気であったとしても決してクビにしない。あなたのできることを必ず探すから」と言って病院に付きそうなど、その姿勢に頭が下がります。その一方、会社はボランティア団体ではないので、しっかり利益を出していかなければならないとも言います。

不得意なこと、やりたくないことをさせてもうまくはいかない。社員一人一人が、自分のやりたいこと、実現したいことに思う存分に取り組む。そのことが利益に繋がるように会社を設計したり、運営することが経営者の役割であると語る倉田氏の言葉に、『生きがい組織』の一つの理想型を見る想いがしました。


<企業データ>

会社名:株式会社ラッシュ・インターナショナル
事業内容:Webサイトの運用/SNS運用代行/達人シリーズ/総務・経理事務代行/コールセンター&事務局代行/商品開発・マーケティング/デザイン・印刷物制作/キャンペーン代行/翻訳/オフィスサポート業務全般
本社所在地:名古屋市中区丸の内3-6-27 EBSビル2F
従業員数:社員33名/スタッフ約65名