【イベントレポート】肩書きを脱いで、月に一度。──オンライン交流会「くまらぼ IKIGAI研究会」ってこんな場所
「会社では言えない本音、ここでは言えた」。月に一度、オンラインで集まって、肩書きを脱いで語り合う。一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会が運営する「くまらぼ IKIGAI研究会」は、立派な答えを出す場ではありません。互いの「物差し」を見せ合い、談笑しながら、自分の生きがいを探していく。大人のための、ちょっと不思議な部活動。2026年3月17日に開かれた回の様子から、その空気をお届けします。
主催:一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会
登壇者:熊倉 利和(代表理事 / 愛称「パパ」) 渡辺 由美子(ファシリテーター / 愛称「ゆみちゃん」)
参加者:多様なバックグラウンドを持つメンバーの皆様
1. ここでは、何をやるの?
くまらぼは、「生きがいを楽しく探求する、ラボラトリー型コミュニティ」です。
その月1回の集まりが、オンラインの「IKIGAI研究会」。やることは、とてもシンプルです。
- まず、自己紹介でお互いを多面的に知る。
- 次に、ひとつの「問い」を、みんなで持ち寄る。
- そして、正解を出さずに、対話する。
それだけ。けれど、これがいい。
ファシリテーターは、渡辺由美子さん。くまらぼでは「ゆみちゃん」の愛称で親しまれています。そのゆみちゃんは、こう言います。「とにかく四方八方から、生きがいって何なんだろうっていうのを、いろんな角度で探求していきます」。研究会という名前なのに、肩肘は張らない。むしろ、肩の力を抜くことから始まります。
2. 今月は「武勇伝」から仲間を知る
この日の自己紹介テーマは、「誰にも負けない私の特技と、その武勇伝」。
トップバッターは、ラボ長の熊倉利和さん──参加者からは「パパ」と呼ばれています。得意技は「水風呂に入れること」。しかも、真冬の八ヶ岳で3分。「水風呂から出たあと、デッキチェアで寝っ転がっているうちに、体まで凍っていく感覚をギリギリまでやってから、サウナに入る」──いきなり体温の振れ幅が大きすぎる武勇伝に、それぞれが意気揚々とした面持ちで順番を待ちます。
続く参加者からも、百人一首、高校野球、フルート、大声、お菓子づくり──と、それぞれの「得意技」が飛び出します。ゆみちゃん自身の特技は「大声」。応援していた声がきっかけでに日本代表の応援団に誘われた、という話が飛び出しました。
なぜ、毎回こうして自己紹介をするのか。ゆみちゃんは言います。「その日出会った仲間のことを知り、この1時間だけを純粋に楽しんでもらいたい。」初めての人も、久しぶりの人も、まずここで肩の力が抜ける。安心して座れる場が、こうして整っていきます。
3. 正解のない問い。それぞれの「物差し」
場が温まったら、この日の「問い」が置かれます。
――人生で大切にしている、あなたの物差しは何ですか。
足の速さ、面白さ、成績、収入──人は、その時々のコミュニティで「大切にされるもの」に触れながら生きています。では、いまの自分が大切にしている物差しは?
パパが挙げたのは「想像力」でした。「この料理が出てきた時に、どんな準備をしてくれたのかな、誰が育てた食材かな、と想像すると、この食事の時間めっちゃええやん」。お金を払ったから当たり前、ではなく、その背後にある手間や関係に思いを寄せる。そのとき、日常に別の温度が宿る、と。
ある参加者は「受け入れる力、ある意味で負ける力」と表現しました。「若い頃は負けないことで生きていた気がするけれど、今は『知らない』『教えてください』と平気で言える」。別の参加者は「昨日の自分より、ミリ単位でもいいから成長しているか」。大きな変化ではなく、ミリ単位。その小ささが、かえって生活に近い手触りを持っていました。
正解は、ありません。それぞれの人が、いま持っている物差しを、そっと机の上に出し合うことから”生きがい”を探求する。そんな時間です。
この日はもうひとつ、「生きがいと我がままの分岐点は何ですか」という、少し深い問いも置かれました。迷惑、貢献、欲望、受け取ってもらえるかどうか──さまざまな言葉が並びます。誰かが「困ったな」と言いながら考える。その姿に、また誰かが頷く。答えを急がない気楽さが、問いの深さを支えていました。

4. 「また会えたね」──あなたの席も、空いています
終盤は、参加者みんなで記念撮影。くまらぼのポーズを確認しながら、画面越しに笑顔が溢れます。
深い問いを扱ったとしても、場の空気はにこやかそのもの。
感想の時間では、こんな声がありました。「お酒を飲んだ時みたいに楽しんで喋れて、こんなに楽しいの、久しぶりだなと思って」。
オンラインの研究会なのに、どこか部室のような気配がある。誰かの得意技に驚き、新たな一面を知り、誰かの物差しに頷き、難しい問いには「困った」と言いながら一緒に考える。その気楽さこそが、この場のいちばんの魅力です。
パパは最後に、こう振り返りました。途中から参加しても、なんとなく楽しめるくらいの気楽さでいい、と。「また会えたね」──月に一度の、そのリズム。
肩書きも、立派な答えも、いりません。うまく言えなくても、大丈夫。ただ、自分の「物差し」を持って、座ってみる。くまらぼは、そんなあなたの席を、いつでも空けて待っています。
編集後記
くまらぼを覗いていて気づくのは、誰も「ちゃんとした答え」を求めていないことです。物差しの問いに「想像力」と答える人がいて、「負ける力」と答える人がいて、そのどれもがオリジナル。だからこそ、安心して自分の言葉を出せるのだと思います。
オンラインの画面越しでも、笑い声は伝わります。難しい問いを前に「困ったな」と言える空気は、つくろうとしてつくれるものではありません。月に一度、肩書きを置いて集まる人たちが、少しずつ育ててきたものなのでしょう。
もし、いまの自分の「物差し」を、誰かと並べてみたくなったら。月に一度、ここで会いましょう。
IKIGAI探求サークル「くまらぼ」
運営:一般社団法人日本IKIGAIデザイン協会
概要:「生きがいをデザインする」をテーマにした探究型サークル。月1回の定例会、週2回の大人の部活(ヨガ・マインドフルネス)、SNSチャレンジなどを通じて、自分らしい生き方・働き方を探求する。
参加方法:下記公式サイトより随時募集中
くまらぼ-IKIGAI探究ラボラトリー